【HP mt46 / EliteBook 845 G7】バッテリー残量はあるのに電源が入らない | 原因とCMOS電池交換

HPのノートパソコン(mt46やEliteBook/ ProBookシリーズ)を数週間〜数ヶ月ぶりに使おうとすると、メインバッテリーの残量はあるのに電源ボタンを押しても反応しない、という状況に陥ることがあります。

ACアダプターを挿すと起動しますが、起動時に白い画面で「POSTエラー」、「リアルタイムクロックの電源喪失(005)」のエラーが表示されます。

* POST(パワーオン・セルフテスト)とは、OS起動前にBIOSによっておこなわれるシステムチェックのことです。*

このような症状は、メインバッテリーの故障ではありません。原因は、マザーボードについている小さなRTC電池(CMOS電池)の消耗です。

この直径16mmのちっちゃなボタン型の電池は、パソコンの電源が長期間オフの間、微弱な電力を供給してシステムの設定を維持する役割があります。

この電池を交換すれば、長期間シャットオフで放置してもAC電源なしで起動できる状態に戻ります。

今回、この交換作業をしたので、記録として写真付きで残しておきます。

あらためて原因の概説

長期間放置後にバッテリーのみで起動できなくなる現象は、HPのPCの安全機能と、内部の「ボタン電池」の消耗が関係しています。

1. HPパソコンの自動バッテリー遮断(ディープスリープ)

HPのノートPCは、シャットダウン状態のまま長期間(数週間~)放置されると、メインバッテリーの過放電(劣化)を防ぐために、メインバッテリーからの電力供給を自動的に遮断します。つまり、内部的には「バッテリーが取り外された状態」になります。

2. 時計や設定を保持する「RTC(CMOS)電池」の寿命

メインバッテリーからの電力供給が途絶えると、PC内部の時刻やBIOS設定を維持するための電力は、マザーボード上にある小さなRTC(リアルタイムクロック)電池(CMOS電池)が供給します。

しかし、このボタン電池が寿命で切れていると、以下のような連鎖反応が起こります。

  1. メインバッテリー供給遮断 + ボタン電池切れ = 完全に基板の電源がゼロになる
  2. 電源制御チップが状態を見失い、メインバッテリーからの起動を受け付けなくなる。
    また、スイッチの動作には電力が必要なので、電力供給がない状態では、パソコンは電源スイッチが押されたことを検知できない。
  3. ACアダプターを挿して電力虚給すると起動する。その際、時刻やBIOS情報が消えているため、起動直後に白い画面のエラーが出る

「内蔵の小さなボタン電池を新品に交換するだけ」で、この長期放置時のトラブルは根本解決できます。

CMOS電池交換手順

わたしは、HPのシンクライアントMT46に、メモリとSSDを増設して、Windowsをインストールしています。

MT46は、EliteBook 845 G7とマザーボードなどの基本的な設計が共通です。以下の手順は、EliteBookでもおおむね同じだと思います。

分解は容易です

HPの法人モデルは、メンテナンス性を重視しているので、ネジを緩めるだけで分解できます。まず、裏蓋に見えているネジ5本を緩めます(隠しネジはありません)。ネジは紛失防止のために、緩めても裏蓋からはずれないようになっています。

裏蓋はさらにプラスチックの爪でとまっています。ヒンジ側からゆっくり持ち上げて、すこしづつ爪をはずしていきます。やさしく持ち上げると、自然にぱちんぱちんとはずれていきます。

もしも爪がはずれにくければ、プラスチックのヘラやカードなどで少し押してあげるといいと思います。爪の位置と形状は下図のとおりです。

裏蓋をあけた状態です。

ちなみに、このモデルはシールドの金属板の下にあるSSDやメモリを自分で交換できます。わたしは、メモリ(8GB → 16GB)とSSD(128GB SATA → 512GB NVME)を交換しています。

CMOS電池は、黒いメインバッテリーの下に隠れています。バッテリーはプラスネジ4本で止まっています。まずは安全のためにバッテリーのコネクタを抜いて、電源を完全にカットしてください。

コネクタを抜くときは、絶対に、コードを引っ張らないように。強く引っ張るとコードがコネクタから抜けることがあります。コネクタ本体をプラスチックのヘラなどでずらして抜いてください。

コネクタを抜いたら、プラスドライバーでバッテリーをはずします。

バッテリーを持ち上げるとその下にCMOS電池があります。この写真はすでにCMOS電池のコネクタを抜いた状態です(コネクタを抜くときはコードを引っ張らないように)。

CMOS電池

CMOS電池の規格には注意してください。

この電池の規格は、

CR1620 3V コネクタ付(逆極性 1.0mm)

です。

コネクタの接点が見える方を手前にして下図のように赤が右側にくるのが「逆極性」です。購入時に商品写真とよく見比べて間違わないように。

わたしはYahooショッピングで入手しました。送料込950円でした。ポチった2日後に到着しました。

https://store.shopping.yahoo.co.jp/hahakuku/d014e.html

新しい電池をコネクタに差します。電極が見える側を下にして差し込んでください。

あとは組み立てて完了です。

メインバッテリーのコネクタを差し込むと、一瞬ファンが回り、ビープ音が鳴って、パソコンが起動しますが心配いりません。

裏蓋をはめて、ディスプレイを開くと以下のエラー表示がでているはずです。先ほど完全に電源をカットしたからです。

エンターキーを押すとWindowsが起動し、インターネットから自動的に時刻を取得して復旧します。

以上、HPの法人モデル(MT46やEliteBook 845 G7など)のCMOS電池の交換方法でした。

これで、シャットダウン状態で数週間放置してもCMOS電池によって状態が維持され、AC電源に繋がなくてもメインバッテリーのみで起動できるようになるはずです。

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