キャノンのプリンタ「PIXUS iP2700」のインクカートリッジ「BC-310BK」を、詰め替え用インクで充填してみました。思ったより簡単に補充できます。補充後の印字品質は普通にきれいです。色が薄いということもありません。値段も安いので、おすすめです。
詰め替え用インクでプリンタのランニングコストを削減
プリンタとインクの値段
キャノンのインクジェット・プリンタ「PIXUS iP2700」を使って1年になります。最安値のプリンタですが、必要最低限の機能は備えています。お値段は2600円程度。
ところが、プリンタは安くても、インクは高いです。iP2700の純正インクカートリッジ「BC-310BK」は、2千円以上します。
実は不当な価格設定ではない
どうしてインクがこんなに高いのか。実は理由があります。
キャノンのiP2700のインクカートリッジは、カートリッジにプリンタヘッドがついている一体型です。だから、この値段は「インクの値段」ではなく、「インクとプリンタヘッドの値段」です。
そう考えれば、この価格は必ずしも不当とも言えません。超精密機器であるプリンタヘッドは高くて当然です。そのプリンタヘッドが使い捨てになっているため、ランニングコストが高くなるわけです。
しかしこのヘッドは、インクを一回使いきった時点で寿命に達するわけではありません。キャノンはそんなぎりぎりの耐久性しかない製品は販売しません。インクがカラになっても、ヘッドはまだ十分使える状態です。
よって、「リサイクルカートリッジ」や「詰め替え用インク」という商品が成立する余地があるわけです。
詰め替え用インク(補充用インク)
サンワサプライの補充用インク
ヘッドの耐久性は、5倍程度の余裕を見て設計されているらしいです。つまり、普通の使い方をしていれば、4回はインクを充填して使いまわせます。
補充用インクは各社から発売されています。今回使ったのはサンワサプライの補充インク。サードパーティーとは言え、一応は有名メーカー品です。
この詰め替え用インクは4回分がセットになっています。インクの使用期限は開栓後1年間なので、ちょうど使い切れそうです。写真では手袋が目立っていますが、これは作業用のビニール手袋で、その上に乗っている小さな黒いボトルが製品の本体です。
実際の詰め替え作業はこんな感じ
実際の充填作業を写真で図解します。所要時間は10分程度でした。要領が掴めたので、次回は3分でできると思います。
箱に入っているもの。
- 補充用ブラックインク
- 穴あけ用ドリル
- 穴あけ位置決め用シール
- 穴塞ぎ用シール
- ビニール手袋
- 説明書
手順どおりに作業すれば誰でも成功するように工夫されています。
まずは穴あけ
付属のシールをカートリッジに貼り付けると、穴をあける位置が自動的に決まります。
ドリルは軽く押しつける程度で、強い力は必要ありません。指先でくるくる回すと、プラスチックがゆっくり削れていきます。
貫通したらドリルに抵抗を感じなくなります。突然感触が変るので、貫通したことがわかります。
インクを注入
開けた穴に、インクボトルのノズルを差し込んで指で押します。ボトルを20度ほど傾けると、カートリッジ内に溜まった空気が抜ける隙間ができて、インクがスムーズに入っていきます。
このとき下の写真のようにインクが周囲に漏れると、なかから出てくる空気で泡ができ、その泡がはじけるときにインクが周囲に飛び散ります。
なので、こうなってしまったら、いったんボトルを抜いてティッシュで拭き取ってください。
最終的に、1回の補充でこのくらいの量のインクが入りました。
この感じだと4回分はないですね。補充前の時点でカートリッジがほぼカラになっていたのだと思います。
できました。簡単です。
補充が終了したら、付属のシールを貼ってふたをします。次回補充をするときはドリルを使わずにこのシールをはがすだけで補充できます。
プリンタにセットして使ってみたところ、問題なく使用できました。右が補充後の印字の状態です。
なお、製品説明にも書いてあるとおり、インク補充をするとプリンタのインク残量表示は機能しなくなります。次回インク補充するときは、印字の状態をみてインク残量を推測する必要があります。
早めに補充した方がよい理由
普通の使い方だとブラックのインクカートリッジが先に減ると思います。ブラックの印字が薄くなってきたら、なるべく早めに補充することをお勧めします。
早めに補充した方がよいのには理由があります。
キャノンのプリンタは、ブラックインクがなくなるとブルーインクで代用する仕組みになっています。下の写真の左側が、ブルーが代用された印字です。このまま使っていると、黒の代わりにブルーのインクがどんどん減ってしまいます。
カラーの補充用インクは3色セットで結構な値段です。
ブラックが薄くなってきたら早めに補充して、カラーインクを無駄遣いしないようにしましょう。
インク補充後も青インクでの印刷が続く場合
ブラックインクを補充した後も、黒部分を青インクで印刷する代用モードが解除されないことがあります。
この場合の対処法ですが、まず本体のリセットボタンを押してみます。それでもブラック印刷ができようにならない場合は、電源をオン・オフしてみます。それでもまだダメなら、本体の電源コードをコンセントからいったん抜いてみてください。わたしはこの最後の方法で回復しました。