CPUグリスの塗り方-夏に備える

日に日に暖かくなる今日このごろ、パソコン内の温度も上昇中です。CPUファンの風切音もびゅんびゅん響いています。購入して6年になるデスクトップパソコンなので、CPUとヒートシンクの間のグリスが乾いているかも知れません。夏に備えて、CPUのグリスを塗り直しました。

CPUグリスの塗り直し

CPUグリスの役割

CPUグリスはCPUとヒートシンクの間のミクロの隙間を埋めて、熱伝導をよくするために塗ります。金属の表面は平らに見えて、実は目に見えない細かい凸凹があります。その凸凹の隙間に空気が入ると、CPUからヒートシンクに熱が伝わりません。

空気の熱伝導率は非常に低く、熱伝導率はわずか0.0241。断熱効果は抜群です。ダウンウエアや布団は空気の断熱効果を利用しています。

物質 熱伝導率
0.582
空気 0.0241
アルミ 236
83
403

CPU用グリスは、CPUとヒートシンクの間のミクロの隙間を埋めて、断熱効果の高い空気が入るのを阻止する役割があります。

cpu-sukima

ちなみに、上の表で見ると、アルミは銅よりは熱伝導率が低いですが、鉄よりは遥かに熱をよく伝えます。ヒートシンクがアルミ製である理由は、単なる軽量化ではなく、この熱伝導率の高さが評価されているわけです。

CPUグリスの塗り方

まずは接触面を掃除します

ヒートシンクを取り外すと、CPUとヒートシンクの双方に、古いグリスがこびりついています。まずは、これを掃除します。

cpu-grease003-1

普通のテッシュであらかた拭きとったあと、無水アルコールを含んだ布やウエットテッシュで拭きあげます。

cpu-grease008

綺麗になりました。CPUの型番もはっきり読み取れます。

掃除に使ったウエットテッシュは、PCショップで売っている「グリス拭き取り用ウエットシート」です

グリスは「ほんの少し」でOK

CPU用グリス自体の熱伝導率は、高級品でも10W/(m K)未満で、高いとは言えません。空気よりは高いですが、アルミより2桁低い熱伝導率です。したがって、CPUとヒートシンクの間に余計なグリスの層ができると、グリス自体が熱の移動を妨げます。グリスは「なるべく薄く塗る」ことが大切です。

地金が見えるくらい、うすーく塗ります。薄く塗るコツは、当たり前ですが「つけすぎない」こと。ほんの少しで十分です。

ヒートシンク側

接触面の中央に、「ちょこっと」乗せる程度で十分です。わたしがやっている下の写真は、つけすぎです。この半分程度が適量です。

cpu-grease011-500x375-2

薄く伸ばすコツは、へらを水平に近くまで倒して動かすことです。

cpu-grease012

写真ではわかりにくいので、イラストをつけておきます。

hera

ヘラを水平に当てると圧力が均等に分散されるので、グリスが薄く広がります。金属の色が透けて見えるくらいの薄さまで伸ばします。

cpu-grease014

伸ばしているうちにヘラに付着した余分なグリスは、テッシュなどで拭きとってください。

ヘラは、グリスに付属しているものが使いやすいです。

CPU側

CPU側は、表面にグリスをなじませる程度で十分です。グリスを大雑把に伸ばしたあと、乾いた布(端切れなど)で軽く拭き取ります。表面がグリスで少し濡れているこの程度が適量です。

cpu-grease010

ねじは対角線の順番で締める

CPUにヒートシンクを乗せたら、ねじで締め付けます。水平に圧着するには、ネジを対角線の順番で、少しずつ締めます。1回につき1回転くらいの見当で、ゆっくり均等に締めていきます。

cpu-grease017

あとは、ファンをセットしたらできあがりです。

ケース内の掃除もしました

ついでに、PCケースの中を大掃除しました。水平にセットされているグラフィックボードの基盤は、数年分のほこりを被って、雪景色のようになっていました。

cpu-grease004

こんなに綺麗になりました。

cpu-grease005

夏を迎える準備は万端です。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク