賞味期限切れのミネラルウォーターは飲んで大丈夫? – ペットボトルの水の消費期限

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なぜ水に賞味期限があるのか

ミネラルウォーターのボトルは、キャップのところに賞味期限が小さく印字してあります。一般の食品なら、この期間までに消費しないと味が落ちたり、悪くなったりしますよね。

では、ミネラルウォーターはどうでしょう。未開封のペットボトルのまま長く保存してこの期限(賞味期限・消費期限)を過ぎた水は、飲めないのでしょうか?

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そんなはずはありません。水、つまりH2Oは、時間が経っても劣化しません。そもそも水は、地表や大気中を循環しながら何億年ものあいだ安定的に存在しているわけですから。

ミネラルウォーターの賞味期限は、「水の賞味期限」ではなく、ペットボトルで保存できる期間の限界を表しています。

ペットボトルの「ペット」(PET)とは、ポリエチレンテレフタラートの略称です。ポリエチレンテレフタラートには「わずかな気体透過性」があります。
ペットボトルは液体は通しませんが、気体はごくわずか通します。この性質のせいで、2つの問題が生じます。

  1. 水がペットボトルの素材を透して蒸発するので、徐々に中身の量が減っていく
  2. 外部の臭いがペットボトルの素材を透して水に移る

この2つの現象が人間の目や鼻に感じとれるようになる時期が、すなわちペットボトルの水の賞味期限(消費期限)というわけです。

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内容量の目減り

水は蒸発すれば気体になります。たとえばコップの水は時間がたてば蒸発し、コップはカラになります。

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ペットボトルはキャップで密封されていますが、素材そのものがわずかに水蒸気を透過するので、中の水はゆっくり蒸発して減っていきます。

わたしの家で災害用に備蓄していた2Lのペットボトルが賞味期限をすぎて目減りしていたので撮影しました。室内の日の当たらない場所で静かに保存していた、未開封のミネラルウォーターです。左端は賞味期限内。右2つは賞味期限切れです。

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撮影日は2016年11月28日です。賞味期限は左から順に以下のとおりです。

  • 2018年9月(賞味期限内)
  • 2015年3月(期限を約1年半超過)
  • 2013年3月(期限を約3年半超過)

すべて未開封ですが、賞味期限を過ぎたものは、中身の水が蒸発したせいで、内側にへこんでいます。賞味期限を3年以上経過している右端のボトルは、つぶれて、よじれています。水が減って内部の圧力が低くなったために、大気圧でつぶれているのです。

目減りしたペットボトル飲料を販売すると法律違反になる

中身の水が目減りすると、客が損した気分になるだけでなく、法律上の問題も生じます。

日本には「計量法」という法律があります。計量の基準を定めることによって、経済取引を適正にするための法律です。その法律に、飲料はボトルに明記してある容量との誤差が1%以内でなければならないと決められています。

500mlの1%は5ml、2リットルの1%は20mlです。

上の写真の中央のボトルは、賞味期限を1年8ヶ月過ぎていて、ボトルの肩の部分がかなりへこんでいます。

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へこみの大きさからして、20mlを超える目減が生じています。この状態で消費者に販売すると、許容される1%(20ml)を超える誤差があるので、「計量法」に違反します。

ほかのメーカーのミネラルウォーターも同じです。下の写真はわたしの家で保存していた「いろはす」の1.5リットルのペットボトルです。未開封です。賞味期限は2016年3月なので、すでに8か月過ぎています。

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水が蒸発して目減りした分、ボトルの一部がペコンと凹んでいます。「いろはす」のボトルは素材が薄いので、とくに減りが早いようです。

水量が1%以上減ったペットボトルを店に並べて販売することは法律上できません。メーカー側は、こういう状態のミネラルウォーターが販売されないように、賞味期限・消費期限を設定していると言われます。

外部からの臭いうつり

ペットボトルの素材は気体をわずかに通すので、周囲に臭いの強いものが置いてあると中身に臭いが移ります。

水はほぼ無臭ですから、少しでも臭いがつけば、かなりの違和感を感じます。臭いも味のうちですから、異臭のついた水は美味しくないです。

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外部の臭いが水に移ってしまう時間が、つまりペットボトルの水の「賞味期限(消費期限)」ということになります。

ただ、この点に関しては、保存状態しだいです。周囲に臭いの強いものがなければ、臭い移りの問題は生じません。ウチで長年保存していた水は、とくに異臭はなく、おいしく飲めました。

賞味期限切れの水は飲めるか

一般論としては、ペットボトルの水は賞味期限を超えても、飲んで大丈夫です(開封後は別です)。

食品が腐るとか、悪くなるとかいうのは、雑菌が繁殖したり、材質が変化したりすることを言います。

ペットボトルの水は加熱や濾過によって雑菌などを取り除いてあります。未開封で雑菌がない水は、何年たっても腐りません。水が自然に変化して違う物質になってしまうこともありません。水は水のままです。水そのものに賞味期限や消費期限はありません。

ただし、前述のとおり、ペットボトルで保存できる年月の限界はあります。

保存期限が長いミネラルウォーター

災害対策用品として販売されている賞味期限の長いミネラルウォーターは、ペットボトルの素材を厚くしたり、表面にコーティングを施したりして、気体透過性を低くしたボトルを使ってます。

一口にペットボトルと言っても、水のペットボトルは触ってみるとペラペラの薄い素材ですが、コーラや炭酸水のペットボトルは硬くて厚いです。炭酸飲料のペットボトルは厚い素材や特殊なコーティングを使って、炭酸(二酸化炭素)が漏れて気が抜けるのを防止しています。

このような気体を透しにくいペットボトルを使えば、5年以上備蓄できる保存期間の長いミネラルウォーターになります。

長期保存可能な非常災害備蓄用のミネラルウォーターは、保存性の高いペットボトルを使うことによって、賞味期限(消費期限)を長くしているのです。

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